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市場やニーズの変化をビジネスチャンスに変える ~GLORY Retail Design Show 2019~ 後編

2019年11月19日(火)~21日(木)の3日間、秋葉原UDXイベント会場にて、グローリーグループ各社のお客様ならびにお取引先様を対象とした「 GLORY Retail Design Show 2019 (グローリーリテールデザインショー2019)」を開催いたしました。

▼前編の記事はこちら
「モノ」から「コト」へ。課題解決の最新ソリューション ~リテールデザインショー2019~ 前編

toBを通してtoCの課題まで解決する、グローリーの製品・サービス

前編では『SHIFT&CHANGE ~「モノ」から「コト」へ。課題解決の最新ソリューション~』をテーマに、「人材不足」「働き方改革」などの経営課題解決策として、キャッシュレス決済への対応や、医療費後払いシステムなど、グローリーの強みを活かしたソリューション展示をご紹介しました。

後編では、『市場やニーズの変化をビジネスチャンスに変える』をテーマに、医療費後払いシステム「待たずにラク~だ™ 」、現金を電子マネーにチャージする「電子マネーチャージ機PFV-100シリーズ 」、処方箋薬局の煩雑な業務を効率化する「処方箋OCR 」の3製品にフォーカスを当て、詳しくご紹介します。


病院の会計待ち時間をゼロに「待たずにラク~だ™」

医療費後払いシステム「待たずにラク~だ™」は、後払いを希望する患者様が、事前に自身のパソコンやスマートフォンで、診察券番号やクレジットカード情報、メールアドレスなどの登録を行うことで後払いが可能となり、診療を終えると会計を待たずに帰宅できるというソリューションです。
利用者(患者)の会計待ち時間の削減と医療機関の会計処理業務の効率化を同時に実現する画期的な仕組みとしてメディアにも多数取り上げられました。

医療費後払いの仕組みは10〜15年前から存在していました。ところが利用者が増えず、病院側が期待した業務軽減につながらないケースが多いのが実情でした。
グローリーはここに疑問を持ち、現場での課題を利用者目線で調査しました。そこで分かったのが、登録の手間と利用手数料という2つのハードルでした。結果として、利用者の登録数ならびに利用率が伸びず、病院側にとっても導入のメリットが十分に活かせていなかったのです。

▲「病院ではなぜこんなに待たされるのか?」診察を待つ時間は仕方ないとしても、診察後の会計待ちは特にストレスとなりやすい。それを解決するのが「待たずにラク~だ™」


▲利用者(患者)は、来院時に後払いご利用票を受け取る。診察後は診察に関する書類と共に窓口に提出することで、混雑した会計待ちの列に並ぶことなく速やかに帰宅できる。

そこでグローリーが取り組んだのは、スマートフォンやタブレット、PCを活用し登録プロセスを簡略化すること。専用アプリ型ではなく、ブラウザベースでの登録を可能にし、利用者側のハードルを下げました。また、手持ちのクレジットカードが利用可能で専用のクレジットカードを新たに作成する必要もありません。

利用登録から来院時の利用手順は以下のとおりです。

利用登録の手順

  1. 医療機関のウェブサイトのバナーやQRコードなどから、医療機関が提供する後払い利用登録画面を表示。新規登録用メールアドレスを入力して送信
  2. 登録したメールアドレスに新規登録フォームが送信される
  3. 新規登録フォームに診察券番号やクレジットカード情報などを入力
  4. 15分後に利用登録完了。通知メールが送信される

来院時の利用手順

  1. 来院時に診察券を提示することで後払い受付票を受け取り、診察後に診察に関する書類と共に窓口に提出
  2. そのまま、帰宅
  3. 後日、支払い完了通知(クレジットカード決済完了)をメールで受信
  4. 領収書・診療明細書は、後日、再来院時に医療機関で専用端末にてご自身で受け取る

※2020年春、領収書・診療明細書のWeb配信機能を提供予定

一度、利用登録をすれば、それ以降は「診察券」のみで後払い診察が可能となります。登録料・利用料がかからず、登録したその日からサービスの利用が可能です。

2019年4月に本システムを導入した医療機関では、毎日来院する5,000人の利用者のうち10%にあたる500人(2019年11月現在)がすでにサービスを利用中で、医療機関が目標としている30%の達成が視野に入ってきています。

また、未成年者や高齢の利用者も保護者や親族が代理の支払者として登録することが可能です。実際、本システム利用者の25%〜28%が、そのようなケースに当てはまる20歳未満ならびに60歳以上となっています。

待ち時間の低減は、患者側のみならず病院側にも大きなメリットがあります。長い待ち時間に対して寄せられる苦情への応対は、病院側スタッフの精神的ストレスになりやすく、離職の遠因となるリスクがあります。また、患者が集中する時間に事務作業を行う必要が無くなり、業務量を分散できるため、スタッフの働きやすさ向上への貢献も大きなポイントです。

待たずにラク~だ™ 製品担当
国内事業本部 販売企画統括部 リテール販売企画二部 販売企画1グループ 専門課長
種市直文(Naofumi Taneichi)氏

キャッシュレス社会をより快適に。電子マネーチャージ機「PFV-100シリーズ」

SuicaやPASMOのような交通系からnanacoや楽天Edyのような流通系まで、電子マネーには多くの種類が存在しますが、チャージのしやすさこそ、その電子マネーを使い続ける大きな理由のひとつではないでしょうか。

クレジットカードや銀行口座からの自動引き落としによるチャージが一般的ですが、スーパー・コンビニ店頭などに設置された端末を使った現金でのチャージを利用する方も多数いらっしゃいます。

今回展示した電子マネーチャージ機「PFV-100シリーズ」は、ハウス型電子マネーやICチップ型電子マネーにマルチに対応した電子マネーチャージ端末です。従来のものと異なり、高額紙幣から1,000円単位のチャージが可能で、手持ち紙幣の種類を問わず、チャージできるようになり、より利便性が向上しました。これまでのようにつり札機能がない端末では利用者の都合にあったチャージができず、電子マネー事業者にとっては機会損失となっていました。

操作方法は簡単で、液晶画面を音声ガイダンスに従って操作します。また、人感センサーによる立ち去り検知機能を備え、カードの取り忘れが発生するとアラームが鳴るよう配慮しました。


▲操作方法は簡単。ICカードを所定の位置に置き、チャージ金額を決定。希望の金額をチャージできる。


▲グローリーの決済情報中継センター「GCANセンター」が安全な取引を実現する。

キャッシュレス決済比率が20%程度(2016年)といわれる国内において、電子マネーチャージ機は現金から電子マネーへの入り口として欠かせない役割を果たしています。電子マネー事業者にとっても、この端末の普及は、電子マネーの利用拡大に直接繋がる重要なものと位置づけられています。

多様なキャッシュレス決済ソリューションを市場に提供するグローリーは、小売店など利用者接点ならびに金融機関における現金の処理・運用に関して比類ないノウハウと実績を持ち、現金とキャッシュレス決済のブリッジ役としてユニークなポジションにあります。全国を網羅する保守網とあわせ、さまざまな電子マネー事業者と協力しながら端末を開発して電子マネー利用の拡大に貢献できると信じています。

電子マネーチャージ機PFV-100シリーズ 製品担当
国内事業本部 販売企画統括部 リテール販売企画一部 販売企画2グループ
足立尚吾(Syougo Adachi)氏

OCR技術活用で、処方箋薬局内の事務を効率化「処方箋読み取り支援システム」

最近では病院が発行する処方箋に印字されたQRコードを読み取るだけで、記載内容をレセプトコンピューター(調剤報酬を請求し患者情報を管理するコンピューター)に自動で入力できるケースも増えてきています。しかしながら、QRコード付き処方箋の普及率は全体の30%ほどで、残りの70%については全て手作業でデータ入力する必要があります。そこで、グローリーは調剤薬局向けシステム最大手である株式会社EMシステムズと協力し、処方箋の読み取りに特化した処方箋読み取り支援システムを開発しました。

このシステムの特長は、さまざまな処方箋レイアウトや薬剤データを網羅し、クラウド上で稼働するグローリーのOCRエンジンにより、レセプトコンピューターへの入力を自動化することです。


▲デジタル化されていない(QRコードのない)処方箋のレイアウトには標準の記載様式に則していないものもあり、これまでOCR処理が困難だった。


▲本システムで読み取った処方箋の内容はそのままレセプトコンピューターに入力され、手入力の手間を省き、業務効率の向上に貢献。

実際には、ほぼすべての処方箋がパソコンで印刷されているため、OCRで文字を読み取ること自体難しいことではなさそうに思えます。しかし、帳票の中にさまざまな情報が詰め込まれている処方箋は、定められた記載様式(レイアウト)外のものも多数流通しており、帳票のどの位置にどんな情報が印字されているのかを正確に把握しないと、正しい読み取りは不可能です。また、薬剤の種類は1万を超え、さらに1つの薬剤に複数の呼び方や表記ブレが存在するため、それらが体系化されて保持されていない限り、レセプトコンピューターに正確なデータを取り込めない場合があります。

本サービスでは、データベースをクラウド上に持つことで、対応する処方箋レイアウトならびに薬剤データも随時追加することができます。そして、クラウド上でOCRソフトウェアを提供する最大の利点は、月額課金で常に最新バージョンのソフトウェアやデータベースを提供することが可能な点です。月額課金での利用が可能なため、初期費用は最小限に抑えられます(ハードウェアはスキャナーのみ)。

薬局業界においても人手不足が予想される中、処方箋情報の入力作業の自動化は薬局業務の効率化と誤入力防止に大きく貢献すると確信しています。


ビジネスイノベーションセンター 新規事業企画部 企画2グループ グループマネージャー
安田賢二郎(Kenjirou Yasuda)氏

ここで取り上げたソリューションの多くは、現金管理、事務サポート、セキュリティー、イメージ処理といった、グローリーが長年にわたって強みとしてきたテクノロジーを、新しく生まれた現場のニーズと利用客の視点から再構築し、最新の機械学習やクラウド技術と融合させることで新しい価値として提案するものでした。

デジタル化やキャッシュレス化に急速に移行しつつある現代社会において、触れるモノと見えないコトの交差点から事業の垣根を超え、さらには社外パートナーとのコラボレーションによって社会課題の解決に取り組むグローリーの姿勢や、ユニークな立ち位置が見えた展示会であったと思います。

商品の詳細やご相談をご希望の方は、お問合せください。

また、次回「 GLORY Retail Design Show 」の開催予定は、2020年11月です。ご来場をご希望のお客様は、こちら までお問い合わせください。

取材・文:太田禎一(Teiichi Ota)
写真:山下みどり(Midori Yamashita)